『豚小屋 〜ある私的な寓話〜』 観劇

  • 2017.01.19 Thursday
  • 13:00

JUGEMテーマ:舞台鑑賞

 

豚小屋 〜ある私的な寓話〜』

新国立劇場 小劇場 1/12(水)19:00観劇

 

 

<出演>

北村有起哉 田端智子

 

<翻訳・演出>

栗山民也

 

休憩なしの2時間弱、4場構成の舞台でした。

 

舞台は、豚小屋。

・・豚の鳴き声。鳴き声。

 

軍隊を脱走して、自宅へ帰ってきてしまったパーヴェル(北村有起哉)は

もう10年間、自宅の豚小屋に身を隠して暮らしている。

知っているのは、妻のプラスコーヴィア(田端智子)だけ。

 

幕切れにはさらに30年たっている。

 

第二次世界大戦中、旧ソ連軍から脱走し、

41年間豚小屋に隠れて住んでいた男の実話が元になっています。

 

薄暗い、汚い豚小屋で

豚と一緒に、ただ時をすごしながら、

何とか、人としての尊厳を保ち続ける、一人の男。

 

時には悲観的になり、正気を失いかけ、

棒で豚を殴りつけ・・。

 

「妻の待つ家に帰って、ストーブの前ですごしたい。」

ただ、その思いに

冬のさなか、我を忘れて軍隊を逃げ出してきた、

元々、それほど強い人間ではないだろうに、

それでも、長〜い年月、

なんとか自分を保ち続ける強さがそこにある。

 

 

豚小屋に、一羽の蝶が迷い込んでくる。

 

その美しい生き物に魅せられ、

思わず、笑いながら蝶を追うパーヴェル。

 

自分の魂のほんのひとかけらを蝶に託して、

外に逃がしてやろうとする。

・・しかし、柵に止まった蝶を、豚がぱくりと食べてしまう。

 

全てが凍りつく。

 

たとえ自分の状況は全く変わらないとしても、

太陽と新鮮な空気の中

自分の魂の一部が、蝶と共に自由に飛びまわる・・。

その想像は、どんなにキラキラ輝く希望の光だったか。

 

思わず豚を殺してしまい、

その絶望が大きかったことがわかる。

 

パーヴェルとプラスコーヴィアの間に

温度差があるところが面白い。

時にはそっけない、突き放すような妻

彼女には外の世界にリアルな生活があるから。

そんなに、悲観した男に付き合ってはいられない。

 

何といっても、豚のニオイにまみれた男を

40年以上かくまい、支え続けてきた

彼女に愛がないなんてことはありえない。

 

そんな女性のちょうどいいさじ加減が、

あんな感じなのだろうな・・と

納得できる人物像でした。

 

40年以上の時を経て

二人は、豚小屋から外の世界へ出て行く。

 

実際にモデルになった兵士は、見つかって処刑されたそうだが、

 

・・パーヴェル夫妻は、どうなったのだろうか。

 

 

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